なみうちぎわで、おにごっこ

知的境界域(ボーダーライン)の子どもとの日常を綴ります

これまでのこと④

小学校一年生

いよいよ学校生活がスタートした。

それまで保育園で朝7時~9時から夜7時過ぎまで過ごしていたぴい。

学校に入ったら、だいたい、朝、校門開くの8時だし、学童だって夜6時半には誰もいなくなってしまう。学習・友達関係・生活習慣 気になることは山ほどあるけど、それより共働きパパママによる小学校生活を成立させなければならないことに奔走した。

基本シフト勤務で、少し朝の融通が利く状態になっていた旦那と話し合い、朝は彼にぴいの登校を見守ってもらうことにした。これは、とても、とても、とても、大きかった。

就学に当たって、登校が家庭の大きなハードルになることは容易に想像できるし、そういう話もよく聞く。だって、働くパパママ、子どもと一緒に家を出れば会社に間に合うような素敵な場所に住んでない人のほうが…多くないですか。。。

つい一週間前まで保育園児だった子に鍵を渡し、家を最後に出るように計らうのは、通常発達のお子さんだったとしても、心理的ハードルが高いと思う。

子どももドキドキするけど、親の緊張感だって半端ない(カギかけ忘れて、空き巣にいつ入られてもいいように、大型金庫を買ったっていうお母さんを知ってる)。

 

ぴいの場合も、今から思えば、もしかしたら「最後に家を出る係」をできたのかもしれないけれど、当時の彼女を見ていて、親の私たちが心理的ハードルを超えられなかった。

旦那に、夜シフトの恒常化をお願いするとともに、私は9時出勤のところを8時出勤に前倒し。退勤時間を少し繰り上げてもらう交渉をし、成功!

マジで会社、ありがとう!!

 

これで遅くとも夜6時半には学童に行ける。一緒に帰って、ごはん・宿題・公文・お風呂、明日の用意…あっという間に10時。

もう、ぴいオリジナルの教育的配慮、なんて、正直ちょっと厳しかった。日常をこなすのに必死になっていった。

 

下校時、迷子になる

その日、旦那が休みで家にいたため、ぴいは親のお迎えを待たず、学童から一人で帰宅することになっていた。夕方5時。約束の時間に学童を出たと思われるのに、徒歩数分の距離の自宅に、いつまでたっても帰ってこない。

旦那が学童に電話をかけると、とっくに帰宅したとの返事。焦った旦那は探しに出たが、自宅から学童までの通学路にぴいはいなかった。

学童のスタッフ・学校の先生を巻き込んで探したけど、見つからない。

夕方6時過ぎになってようやく近所の方から学校に、ご自宅で保護しているとの連絡が入った。担任がお迎えに行くと、安心して泣き出したという。

 

落ち着くのを待って、状況を整理したところ…お友達の家に行き、帰り方がわからず迷子になっていた。

学童の門を出て、左に行くと我が家(徒歩数分)。右に行くと、団地がある。お友達たちはいつも右に行くので、一緒に帰りたくなったぴいは、お友達に合わせ右に行ったのだという。そして、団地に住んでいるお友達の家までついて行ったあと、一人で帰ろうとして…道を見失った。

 

親切そうなおばあさんを見かけたので、声をかけ、迷子になりました。助けてください。と言ったらしい。驚いたのはおばあさん。このご時世、下手に自宅に連れて行ったらまずいのではと思うも、目の前に泣き出しそうな子ども・自分はトイレに行きたくて家路を急ぐ途中・女の子だし、ほかの変な人に連れ去られたら後味悪い…色々考えて、ご自宅で保護してくださったとのこと。ランドセルに入っていた学校だよりを見て、小学校に電話をしてくださったのだった・・・。

 

良い点

1 適切なタイミングで助けを求めることができた。

2 親切そうなおばあさん、を助けてもらう人にチョイスできたのは〇。

改善が必要な点

1 道が覚えられない。建物と建物の位置関係を空間的に把握するのがとても苦手。例えば、駅に向かって並行している2つの道路があるとして、どっちを通っても駅に着く、ということがわからない。でもどうやって訓練したらいいのか、わからない。。

 

2 こうしたら、こうなる。という予測を立てる訓練が必要。このケースだと、知らない道に行ったら帰れなくなるかもしれない。という予測。

 

どうしたって、人並みにいかないことは出てくる。

もちろん、人並みになる訓練も必要なんだけど、能力足りずに困った事態に陥ったとき、適切な「助けて」が発信できるスキルは、この子の場合、特に磨いていかないといけないんだな。と思わされた出来事だった。